慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室  精神展開剤研究班

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私たちの取り組み

私たちの研究は、精神展開剤の臨床応用を目指し、
日本国内における精神疾患治療の新たなスタンダードを確立することを目的としています。
その取り組みを、一部紹介します。

Topic

うつ病を対象としたシロシビン療法の臨床試験

[臨床試験とは?]

臨床試験とは、新しい薬や治療法が「人にとって安全で効果があるのかどうか」を調べるために行う研究です。
私たちの体に使う前に、まず動物などで安全性や効果を確認します。その後、健康な人や患者さんの協力を得て、実際に人に使ったときにどうなるかを慎重に調べます。
参加する方の安全を守るために、専門の審査委員会が内容をチェックし、倫理的にも問題がないかを確認しています。

[私たちの研究プロセス]

対象:治療抵抗性うつ病患者 12名
前半の6名 シロシビン10mg/回 2セッション
後半の6名 シロシビン10mg/回 2セッション または シロシビン25mg/回 2セッション

投薬セッションの場面(イメージ図)

[この臨床試験で目指すこと]

シロシビン療法が日本でも安全に実施できることを検証するとともに、うつ症状がどのように改善するか調べます。そして、この臨床試験で得られた情報は、今後の臨床試験を安全に実施するために役立てられます。また、脳の形や活動などを記録する特別な撮影装置を使って脳の中で何が起きているのかを調べます。こうして集めたデータは、シロシビンが脳にどう働くのかを理解する手がかりになるだけでなく、この治療法に対する不安や誤解をやわらげることにもつながると期待しています。